2007年最後の独り言。
いよいよ、2007年もあと残すところ半日弱となった。
この、“週刊・独り言”も、今年最後のものとなる。
2007年の相場を振り返り、2008年の相場の行方を考えてみよう。
但し、これはあくまでも塾長の“独り言”であることを、お忘れなく!
2007年は、円相場にとって“正念場”となった年であった。
夏くらいまでの、ドル安、円安、その他通貨高の図式が崩れ、ドル安が進む中、円安から円高に反転した。
これは、円のパフォーマンスが見直され始めたと言うよりは、夏までのファッションであった“金利差”を持て囃したてての円売りがやっと収まったからであろう。
塾長は、“円高の権化”のように思われているが、決してそうではない。
2005年1月に、ドル・円が101円台を付けた時は、“子供のぶたちゃん貯金箱を叩き割ってでも、総ての円を売りましょうよ。”と言ったと記憶しているが、まさか同じ年の年末に121円台を付けるとは夢にも思わなかった。
2005年の秋にサンフランシスコに行って、アメリカのバブルの状況(特に、住宅関連産業)を見て、“これはこけるな!”と強く感じた。
ここら辺から猛烈なドル・ベアになり、当然相対通貨の円も再び強くなるであろうと確信した。
2005年12月に戻し高値の121円台を付けた後、2006年5月に108円台までドルが下落した時は、“しめた!”と思ったが、そうは容易く行かない。
結局2007年の6月には124円台を付けたが、その頃、同じ年の秋には110円を割るだろうとは誰も夢想だにしなかった筈である。
そして、サブ・プライム・ローン問題が大きくクローズ・アップされ、世界的な金融不安が広がった。
その後、主要中央銀行の大量資金供給、サブ・プライム・ローンの借り手に対する米政府の救済策、政府系ファンドによる問題を抱える大手金融機関に対する資本強化案などが発表され、一旦は株式市場、そして為替市場も小康を保つこととなったが、事はそう簡単ではあるまい。
さて、ここからが2008年の相場を考えることとなる。
日々のブログでも何回も指摘したが、上の諸々の救済策は重症患者(サブ・プライム・ローン問題)を完治させる手術を行ったわけではない。
ただ、短期的に痛みを和らげる鎮痛剤(モルヒネ)を投与しただけである。
重大な問題は、果たしてこの病がどこまで進行していくのかが、全く分からないことである。
春頃この病が発覚した時は、“あれ、自分も精密検査をした方がいいかな?でも、大したことはなかろう。”と多くの患者(今回のサブ・プライム・ローン問題で大怪我をした金融機関)が高を括ったが、病はどんどん進行し、あっと気が付いたら、今の時点では手の付けようが無くて(腐れ債権を売ろうにも買い手がいなくて、値が付かない。)、モルヒネを投与して貰うことしか無い。
モルヒネはよく効くが、副作用(常習性、そして痛みが無いから、どこまで病状が進行しているかが分からない。)を伴う。
中央銀行の大量資金供給だって、何れ満期が来ればまたロール・オーバーをしなくてはならない。
政府系ファンドからの資本強化だって、相当ぼられる取り引きであることは間違いあるまい。 背に腹は変えられないとは言え、それでなくても弱体化した収益性に必ずや悪影響を与えよう。
幸いにも、この病(サブ・プライム・ローン問題)は不治の病ではない。
そして、モルヒネもまだ沢山有る。
何れ将来的には、この病が完治とまでは行かなくとも、大分良くなる可能性が大である。
ただ、それが何時になるかは全く分からない。
さて、本題であるがサブ・プライム・ローン問題はまだ長引くと思う。
金融機関、特に銀行の弱体化に伴い、これがプライム・ローン(一般の企業や、ある程度信用力の高い人たちに対する貸し出し。)やホーム・エクイティー・ローン(住宅の取得価格より住宅価格が上回れば、それを担保にしての貸し出し。)に影響し、“貸し渋り”や、“貸し出しの返済”を迫られ、企業の設備投資は遅れ、個人消費は低迷することとなろう。
FRBは、さらなる金融緩和を余儀なくされ、一生懸命“円・キャリー・トレード”をやったり、金利差を持て囃して円を売り持ちにしていた投機家には、ドル・円をロングにする魅力は減少しよう。
断っておくが、決して円を売るなとは一切言っていない。
未来永劫、円相場が動かないか、或いは円安になると信じて分不相応なレバレッジを掛けての円・ショートに反対しているだけである。
2008年もVolatility.=(変動率)は大きくは下がらないと思うが、Volatility.が高い時に、大きなレバレッジを掛けるのは極めて無謀である。
金利差が4%あるとすると、これは1年間じっと我慢してようやく頂ける果実である。
あわよく円安に行けば、Capital Gain.=(元本が増える。)も得られる。
しかし、円高に行ったらどうする?
たった1週間で4%円高になることだって有り得るし、実際今年もそれは起きた。
一ヶ月のVolatility.が10%と言うことは、プロのディーラー集団が、“一ヶ月のうちにドル・円相場が10%動く可能性がある。”ということを考えて取り引きしているのである。
それに向かって、1年間待って得られる“たった?”4%の金利差を狙って、大きなレバレッジを掛けて円をショートにする?
塾長にとっては極めて、非効率な取り引きに見えるのだが。
塾長は、円をショートにするどころか、逆に長くに渡ってロングにしていたが、レバレッジなんか効かせていない。
ショート(低金利の円からの効率のいい投資を狙っての)にしろ、ロング(自分の勝手な相場観に則っての)にしろ、中・長期のポジション保有は低レバレッジでやるべきであろう。
でないと、相場が逆に行った時に、全く何も出来ない。
そうでしょ?
レバレッジを大きく効かせるのは、“ここぞ!”と言う時だけ。
例えば、まさかの120円を切ったら、112円位まで行くと思って、どーんとレバレッジを掛けてドルを売る。
107.20を付けた後、108円を越えたら、112円位まで行くと思って、どーんとレバレッジを掛けてドルを買う。
多くの人たちが、レバレッジの掛け方を誤解している。
あれ、本筋から離れてしまった。
という訳で2008年は、
-米国経済は更に減速し、
-FRBは更なる金融緩和を行わざるを得ず、
-ドル相場は下がり続け、
-当然ドルの相対通貨は上昇する。
-既に対ドルで相当上昇したその他通貨の上昇速度は鈍り、
-(更なる)ドル安&(ついに)円高&(テンポの遅い)その他通貨高になる。
-年央辺りから、ドルの下落スピードが鈍り、同時にその他通貨高に調整が入る。
-特に英ポンドの調整が一番大きくなる可能性が大である。
-世界の外貨準備に占める円の割合は何と3%以下であるが、これはここ10年の日本経済と株式市場のパフォーマンス、そして金利水準を考えると致し方が無かったが、これは異常に低過ぎる。 大きな確率で、円が買い戻されることが考えられる。
-2008年のドル・円相場のレンジは、保守的に行けば102-118円と見るが、もっと強気で行けば92-115円と見る。
-多くの人達が、“円高になれば、我が国金融当局の円売り介入が出て、円高を阻止する。”と考えている節が有るが、今回再び円高になっても“介入は出ない。”
2004年に35兆円にも上る大規模な円売り介入が行われたが、当時は日米関係は大変良好で、米政府は、“更なる円高が、日本経済と株価にとってマイナスとなるのなら、円売り介入をしても構いません。但し、自分のお金を使ってやりなさい。(協調介入はしない。)”と円高阻止に寛容であった。
現在の日米関係は、色々な意味で最悪。
米政府に、“日本を助けてやろう。”などと言う気持ちは毛頭無い。
そもそも、貿易赤字最大国である中国に対して、あれだけ人民元の切り上げを要求しながら、第二の貿易赤字国である日本の通貨が強くなった場合に売り介入を許す筈も無いのは、誰が考えても当然であろう。
-ドル・円が10-15%下がると議論し、その他通貨の上昇が5%に留まる、あるいは調整が起きると議論するのであれば、当然クロスでも円高になる。
特にポンド・円が大きく下げる可能性が大と見る。
以上が、塾長の見る2008年の相場展開予想である。
1月7日(月)のテレビ東京の“オープニング・ベル”=(午前8時45分から9時半まで
の生放送)に今井さんと出演するが、同じ事を言う積りである。
2008年の“オープニング・ベル”の初日は、1月4日(金)で、7日は今年の正月のように
塾長は“紋付・羽織”を着なくてもいいみたいである。
“よっ、吉本興行!”の掛け声は不要。
皆様、どうか2008年がいい年でありますように!
久々に、年末に仕事をしたような気がする塾長。






































